なぜ豊平区は「ラーメン激戦区」となったのか?

先月発売のされた雑誌ラーメンWalker北海道2019で、今年のラーメンのグランプリが発表されました。豊平区からは、3位に「MEN-EIJI HIRA GISHI BASE」(平岸2-11)、2位に「麺処 まるはBEYOND」(中の島1-3)が選ばれました。

 

MEN-EIJIは無化調スープ、道産小麦をブレンドした自家製麺と原料へのこだわりが評価されました。麺処まるはは豚骨、鶏ガラ、魚介からなる5種類のスープをメニューによって巧みに使い分け生み出される奥深い一杯が評価され2位にランクインしました。

同誌の10周年特別企画としてこれまでの歴代ランキングがまとめられています。これによると、「彩未」(美園10-5)が2012年から2015年まで4年連続1位となり殿堂入り。「MEN-EIJI」は過去7回開催されたグランプリで、史上最多となる6回ランクインしています。「麺処 まるはBEYOND」と「我流麺舞 飛燕」が4回と続き、豊平区がラーメン激戦区であることが数字の上からも明らかです。2017年に発売されたミシュランガイド北海道にも豊平区から5店のラーメン店が掲載されています。

 

なぜ豊平区はラーメン激戦区となったのでしょうか?2012年に北海道新聞で連載された「さっぽろ 街をつむいで 第9部 リンゴ畑の面影残る平岸」にヒントが載っています。それによると、平岸がラーメン激戦区となったきっかけは1994年に隣の澄川から移転してきた「純連」にあるとしています。「純すみ系」と呼ばれる濃厚な味噌が全国的にブームとなり、一躍豊平区はラーメン激戦区として知られるようになりました。このことが、後に続くラーメン店の基準を押し上げる要因となりました。2006年に開店した「MEN-EIJI HIRA GISHI BASE」の古川淳社長は「平岸で通用すれば味に自信が持てると思った」と語っています。

 

平岸は飲食店が定着しにくいとされ、1年持たずに店を畳むケースもざら。地元の不動産業者は「平岸街道が国道になって素通りする車が増えた。若者は中心部で飲食しがちで商売が難しい」とみています。せまいエリアに名店がひしめくことによって競争が生まれ、高いハードルを超えることができる店だけが生き残るため豊平区は「ラーメン激戦区」となったのです。

 

なお激戦区平岸のラーメン店としてこの連載では、らーめん彪(平岸3の3)、山嵐(平岸1の9)、麺 eiji 平岸ベース(平岸2の11)、白樺山荘(平岸3の13)、岡山らぁめん心太(平岸4の8)、長瀬醤油(平岸3の13)、さっぽろ純連(平岸2の17)、南平岸 牛骨らーめん ら組が紹介されていますが、このうちの半分が閉店したことを考えても、ここで生き残るのは大変なことだとわかります。

 

※豊平区のミシュランガイド掲載店

「コション」閉店 絶品ハヤシライス惜しまれながら