平岸の歴史を訪ねて~自然史編~

自然史編では、支笏火山の超巨大噴火や氷河期の終焉といった地球のダイナミズムが、平岸の地形にどのような痕跡をとどめているのか、その謎にせまりました。

 また、人間の手が加わる以前の原始の平岸の様子を、昔の写真や郷土資料、古地図などを手掛かりに、見た目にもわかりやすく解説。かつて高台沿いを流れていた幻の川「小泉川」の在りし日の姿や、川が消えてしまった謎についても解き明かしています。

 


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第1回.支笏火砕流~火砕流が台地を作った①(2014/3/1号)
今から4万年前、支笏火山から発生した超巨大火砕流が札幌の街を襲いました。あらゆる生命を焼きつくし、あとには火山灰でできた台地が残されます。平岸高台地区の成因にせまります
支笏火砕流①火砕流が台地を作った.pdf
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第2回.支笏火砕流~火砕流が台地を作った②(2014/3/15号)
札幌の街を覆った火砕流は、被害をもたらしただけでなく、意外な形で私たちの暮らしに関わってきます。火砕流が冷え固まった部分は“札幌軟石”と呼ばれ、りんご倉庫や墓石などの石材として広く使われてきました。また、やわらかい火山灰の部分は、昭和の初めごろ大日本麦酒(現在のサッポロビール)のビール瓶の原料として使われ、豊平区役所裏のぼうず山のがけから採取されていました。
(本稿).pdf
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第3回.母なる豊平川とふたつの扇状地①(2014/4/1号)
平岸の地形は、①豊平川から精進川にかけての中の島に広がる平野部、②平岸から美園方面にかけて広がる一段高い平野部、③高台地域の三つに区分できます。このうち③の平野部は支笏火砕流によって作られたものですが、①と②の二段の平野は、豊平川によって作られた扇状地からできています。
③豊平川と扇状地(本稿).pdf
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第4回.母なる豊平川とふたつの扇状地②(2014/4/15号)
今から1万年前まで続いた氷河時代、豊平川は今とは全く異なるルートを通っていました。当時の豊平川は、石山陸橋のあたりから地下鉄南北線真駒内駅方面へ流れ、その後は澄川~平岸方面へ流れていました。その後、氷期が終わり、降雪量・降水量の増加により浸食力が増した豊平川は、それ以前にできていた扇状地を削りながら、新しい扇状地を形成していきました。
④豊平川と扇状地(本稿).pdf
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第5回.母なる豊平川とふたつの扇状地③(2014/5/1号)
自然の恵みをもたらす豊平川は一方で、日本でも有数の暴れ川でもあります。大洪水のたびに札幌一面が泥海となり、川の流れも大きく変わることがたびたびでした。かつての豊平川の氾濫の痕跡や昔の流路について調べてみました。
⑤豊平川と扇状地(本稿).pdf
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第6回.母なる豊平川とふたつの扇状地④(2014/5/15号)
中の島は、読んで字のごとく、もともと豊平川に囲まれた中洲でした。そのため、洪水が起きると地域ごと水没する被害が後を絶ちませんでした。昭和に入ってから、豊平川に大規模な堤防が完成し、洪水に襲われる恐れがなくなります。明治から現在に至るまでの中の島地区の変遷を古地図をもとに解き明かします。
⑥豊平川と扇状地(本稿).pdf
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第7回.原始の平岸(2014/6/1号)
昭和40年代の宅地化が始まる以前の高台地域は、尾根と谷が繰り返す起伏にとんだ地形でした。また、平岸は原始の森がうっそうと広がり、多くの動物が暮らす自然豊かな地域でした。この回では、人間の手が加わる以前の平岸の様子を郷土史や古地図などの資料から再現しています。
⑦原始の平岸(本稿).pdf
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第8回.幻の川「小泉川」(2014/6/15号)
かつて澄川から平岸高台のふもとを流れる天然の小川「小泉川」がありました。この川は、澄川地区の札幌新陽高校のあたりにこんこんと湧いていた湧き水を水源とし、高台の縁で湧いていたいくつもの湧き水を集めながら、下流に向かって水量を増していきました。幻の魚「イトウ」が生息するなど、自然豊かな川でしたが、宅地化が進行し、湧き水が枯れるとともにこの川も姿を消すことになります。
⑧小泉川(本稿).pdf
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