検索データから見る胆振東部地震②拡散するデマ 求められた生活情報

デマと生活情報に関する検索ワードの分析から、人々がどういった情報を求め、どのようにデマが拡散したのか浮かび上がってきました。

 

※Google Trendsで地震発生から1週間の検索ワードの推移を調査

※日付はアメリカ標準時であり、日本時間ではありません

■デマに踊った人々

「デマ」「地震雲」「地鳴り」いずれも地震発生の2日後にピークが来ています。熊本地震の場合、前震の2日後に本震が起こったことから、今回も2日後に起こるといったデマが拡散しました。

 

具体的には、消防署や自衛隊を騙り「地鳴り・地響きがなっているので数時間後に大きい地震がくる」「地震計が異常数値を示しているので大きな地震がくる」など、不安をあおるような情報です。

 

また、8日の夕方、札幌で筋状の雲が広がり、夕焼けが反射しピンク色に染まりました。これが地震雲ではないかというデマも拡散しました。

■充電、ガソリン、スーパー

地震直後は「ガソリン」と「充電」が圧倒的に多く検索されています。停電がほぼ解消された8日ごろから「充電」は減少。ガソリンスタンドも停電から復旧後、ほとんどの店舗が営業を再開し、確保のめどがったとの情報がマスコミから流れるにつれ、検索数も減少しています。

 

対照的に、「スーパー」は7日から8日にかけて検索数が増加。営業を再開した店舗は多かったものの、買い物客が殺到し、生鮮食品が売り切れる店舗が続出。どこの店で、何が売っているのか、何時まで空いているのか、情報を求めた人が多くいました。

■コンビニ

 停電中もほとんどの店舗が営業していた「セブンイレブン」と「セイコーマート」が6日の検索ワードのトップに位置しています。ネット上では「神対応」としてセイコーマートばかりが取り上げられていましたが、セブンイレブンも停電中も多くの店で営業していました。

 

ローソンは停電中閉店していた店が多かったものの、電力復旧後は先に営業していたセブンイレブンとセイコーマートが品切れとなるなか、時間差で営業できたことにより、結果的に買い物客が分散しました。

情報発信者として、状況の変化とともに求められる情報が刻々と変化してことを念頭に置き、次なる災害時の参考にしたいと思います。また、受け手の側も、何が正しい情報なのかを判断できる能力が必要です。信頼できる情報ソースから正確な情報を入手する。不確実な情報をむやみに拡散しないといった行動が重要です。

 

※検索データから見る胆振東部地震①その時、道民は何を知ろうとしたのか

※道新りんごブログ~防災カテゴリー