検索データから見る胆振東部地震①その時、道民は何を知ろうとしたのか

大災害の発生直後、人々はどのような情報を求めたのか――。道新りんご新聞では、胆振東部地震発生後の被災者らの検索ワードを分析しました。北海道の中でも、被害状況によって求める情報が異なっていたことが浮かび上がりました。

 

※Google Trendsで地震発生から1週間の検索ワードの推移を調査

※日付はアメリカ標準時であり、日本時間ではありません

北海道での「停電」「断水」「地震」の検索ワードの推移を見ると、地震当日から3日間は「停電」が「地震」を上回っています。停電はブラックアウト発生から3日後にはほぼ解消しました。一方、余震はなかなか収まらず、震度4-5クラスの揺れが頻発しており、検索ワードも高止まりしました。

 

「停電 札幌」「停電 函館」など都市名との組み合わせでの検索が多く、自分たちが暮らしている街の停電状況、復旧状況を知りたかった人が多くいたと見られます。

 

「断水」も地震後急増していますが、震源地付近や組み上げ式のマンションなど停電に比べれば被害が局所的だったため、検索ワードは下位になっています。

対照的なのが熊本地震後の熊本県の検索ワードの推移です。圧倒的に「地震」が検索されています。北海道とは違い、全域停電にはならなかったこと。震度7の地震が2回起こり、北海道にくらべ大きな揺れを県内全域で観測したことなどが原因と思われます。

道内の都市別の検索ワードを分析すると、北見・稚内・釧路など震源地から遠い都市では「停電」が「地震」の約2倍検索されています。一方、苫小牧・千歳・恵庭の比較的震源に近い都市ではこれとは正反対に「地震」が「停電」の倍の検索数となっています。道内においても、被害状況によって求める情報が異なっていたことが浮かび上がりました。

 
※検索データから見る胆振東部地震②拡散するデマ 求められた生活情報

※大停電からの3日間を振り返る①道新りんご新聞活動記録

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