「東京五輪目指す」コンサドーレ札幌・濱大耀選手 取材裏話

私はプロのスポーツ選手を取材したのは彼がはじめてです。なので、サッカーの専門的なことはよくわかりませんが、この選手は本当に将来日本を背負っていくのではないかと思いました。

 

先日、道新りんご新聞4月1日号で掲載する「平岸人図鑑」の取材のため、北海道コンサドーレ札幌の濱大耀選手にお会いしました。

 

濱選手は、この春平岸高校を卒業し、コンサドーレU-18チームではキャプテンとしてチームを引っ張ってきました。U-19日本代表に選ばれるなどの活躍が認められ、今年トップチームに昇格。将来を期待されている若手選手です。

 

可愛らしい顔立ち。取材慣れしていないボソボソとした素朴な受け答え。

 

それとは裏腹に、目の奥に宿る自信と強い意志。とても18歳とは思えませんでした。

 

精神年齢の高さ=人間としての成熟度は、濱選手の挫折と苦難に満ちた競技人生の裏返しといえるかもしれません。


 濱選手は、兄の影響で小学生の時にサッカーを始めました。小学6年生の時にはキャプテンとしてチームを引っ張り、札幌選抜チームにも選ばれました。

 

しかし、中学1年生のときに札幌選抜チームから落選し、所属するチームでもレギュラーから控え組に回されます。センターバックの定位置を奪われてボランチに回され、「もう無理」と思ったそうです。

 

しかし、「自分が不利な状況にいるほど燃え上がるタイプ」であるという濱選手は「ボランチでのボール回しなどの経験は本職のセンターバックでも生かせるはず」と逆境を前向きに捉えることで挫折から抜け出しました。その後、中学3年生の時にはチームの中心として活躍。コンサドーレ札幌U-18への入団をはたしました。

 

現在、チーム内での濱選手の立ち位置はベンチ外。トップチームに昇格して壁にあたっているのでは?との質問に、「今課題はたくさんありますが、壁にぶつかっているとは感じていません。やることははっきりしています。チャンスは絶対ある」と力強く言い切りました。

 

日本代表の本田圭佑選手が、ガンバジュニアユース時代に同期のライバルとの競争に勝ち抜けず、ガンバユースへの昇格をあきらめて星稜高校に進学したのは有名な話です。その悔しさをバネに本田選手は日本を代表する選手になりました。

 

サッカーに限らず、壁にぶつかった場合の道はふたつしかありません。自信をなくして別の道に行くか、悔しさを糧にして乗り越えるか。濱選手は後者の道を選び、自分に何が足りないのか考え壁を乗り越えました。

 

「僕は能力や才能に恵まれていたわけではありません。サッカーでも、何でもそうですが、挫折することがあっても、前向きに、自分の考えをしっかり持って経験を積むことで、目標や夢に近づくことができると思います。」と語ってくれた濱選手。大変なのはこれからですが、きっと活躍してくれると信じています。

 

※道新りんご新聞は毎月1日・15日に、平岸全域の北海道新聞朝刊に折り込まれます。新聞の1週間無料お試しキャンペーン実施中!