強風で倒れたポプラの下敷きによる犠牲も 倒木・看板の落下にご注意ください

平岸小学校校門脇に悠然とそびえるポプラ(平岸小学校開校70周年記念誌より)
平岸小学校校門脇に悠然とそびえるポプラ(平岸小学校開校70周年記念誌より)

台風10号は30日夜、北海道に最接近し、津軽海峡の西に抜けました。幸い札幌市内には大きな被害はなかったものの、空知川・札内川の堤防が決壊するなど大きな被害が出ています。

 

かつて平岸で台風による痛ましい犠牲がありました。昭和35年の秋、台風により平岸小学校の校門の脇にあったポプラの木が倒れ、児童が下敷きになり亡くなっています。

 

平岸小学校の第41代・森直樹校長は、このとき同小の3年生で、当時の記憶を次のように書いています(平岸小学校ホームページ内「校長室より」)。

 

『昭和36年頃まで、平岸小学校の校門の横には大きなポプラの樹がありました。この写真は、開校70周年記念誌に載っているもので、昭和34年頃の写真だと思われます。下の方に校門が小さく写っていますから、比べると幹の太さや樹の高さが想像できます。樹齢は推定で70年くらいと言われていました。

 

このポプラの樹ですが、確か昭和35年の秋に台風で倒れました。私はまだ小学3年生で、朝登校したとき根元から折れて、校舎に向かって写真の右側斜めに倒れていました。なんとなく周りがざわついていましたが、後で聞いた話では、児童が一人下敷きになって亡くなったとのことでした。なんでも、現地学習に行くために5年生が朝早く玄関前に集まっていたそうですが、遅れてきた子どもが校門に入ってきたときに運悪く樹が倒れて下敷きになってしまったそうです。

 

 

下校の際に折れたポプラの幹を見ると、真ん中が空洞になっていました。この時、ポプラの樹は成長が早いが中が腐って空洞化しやすいことを学びました。当時の大人たちの多くも、あの立派なポプラが強風で倒れるとは思っていなかったようです。亡くなった児童のお名前はもう覚えてはおりませんが、平岸小学校の悲しい思い出としていつまでも残っています。』

 

今回の台風により、月寒公園では、折れた枝や葉っぱがそこら中に散らばっていました。

昨年、強風により「札幌かに本家」の看板が落下し、女性の頭に直撃し、意識不明の重体になる痛ましい事故もありましたが、強風の際には、倒木や看板の落下に注意し、危険な場所を避けることをこころがけましょう。

 

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