札幌人が知っておくべき3つの地震リスク~2010年に清田区で発生した直下型地震を振り返る

2010年12月8日北海道新聞朝刊23面より
2010年12月8日北海道新聞朝刊23面より

札幌は「地震の少ないマチ」と思われている方が多いようですが、札幌でも震度7クラスの直下型地震が発生する可能性があります。

 

札幌市民の方に知っておいてほしいのは、

①札幌市の地下に3本の活断層があること

②2010年に、そのうちの(おそらく)月寒断層による直下型地震が発生していること

③直下型地震の場合、緊急地震速報は間に合わないので、事前の備えが大事であること。

以上の3点です。

 

①については、札幌周辺に3つの活断層~平岸で震度7の可能性も直下型地震札幌圏も危険性

③については、熊本地震から1ヶ月 自宅でできる対策は?をお読みください。

 

今回は、②2010年に清田区を震源とした直下型地震について取り上げたいと思います。

地震で崩れた土砂を撤去する作業員ら(2010年12月3日北海道新聞夕刊13面より)
地震で崩れた土砂を撤去する作業員ら(2010年12月3日北海道新聞夕刊13面より)

この地震は、2010年12月2日6時44分に発生しました。

震源は、札幌市清田区真栄付近。

 

震源の深さは3キロメートル。これは、10キロメートルであった今回の熊本地震に比べてもかなり浅いです。

 

地震の規模を示すマグニチュードは、4.6。

熊本地震は、最大で7.3ですから、熊本地震に比べてエネルギーは千分の一以下だったことがわかります。

 

それほど大きな地震ではありませんでしたが、里塚霊園のあたりで震度4、北広島のインターチェンジで震度5弱を観測しました。

 

地震の規模の割に、揺れが大きくなったのは、震源が浅かったためです。

このときは、“たまたま”小さな規模の地震だったためにこの程度の揺れで済みましたが、熊本地震並みの地震が発生した場合、震度6強~震度7クラスの揺れが起きるのは間違いないでしょう(ご自宅周辺の想定震度は札幌市が提供している地震・防災マップのページをご覧ください)。

 

直下型地震の特徴として、初期微動と主要動がほぼ同時に到達するため、下からドンと突き上げるような揺れが感じられました。

この点、最初に弱い揺れが来て、その後長い周期のゆらゆらとした揺れが続く海溝型の地震とは異なります。

 

マグニチュード4.6という規模の小さい地震だったため人的な被害は出ませんでしたが(ただし大曲中では天井材が外れ、清田区のゴルフ場では土砂崩れが発生しています)、マグニチュード6.5程度の規模の地震が起きると、避難するまもなく、一瞬のうちに家具が倒れ大きな被害につながります。

 

札幌市内でも、今回の熊本地震なみの直下型地震がいつ来ないとも限りません。

“天災は忘れたころにやってくる”という言葉もあります。

地震への備えをもう一度確認しておきましょう。

 

 

オススメ記事→地震予知の難しさと基礎研究の重要性①拙速な結果を求める風潮に物申す札幌の直下型地震過去100年で34回発生~液状化現象も熊本地震から1ヶ月 自宅でできる対策は?

 

防災関係の記事は道新りんごブログ「防災カテゴリー」のページをご覧ください。

 

FMアップルで放送した防災特集「札幌でも震度7の直下型地震は起こりうる」公開しました。こちらのページからお聴きください。

 

平岸地域の防災情報は、「平岸防災~明日に備えて」をご覧ください。

 

参照→「石狩地方中部の地震に関する報告会」の開催結果