平岸りんごとレンガ倉庫と六花亭

かつて平岸街道沿いにはりんごを貯蔵するレンガ製や札幌軟石製の倉庫がそこら中にありました。しかし、都市開発が進み現在では平岸地区に数棟残されているのみです。

 

りんご倉庫は、平岸よりもむしろ西岡や福住といった都市開発が遅れた場所に多く残されています(しかしここでも取り壊しが進んでいます)。

 

福住2条5丁目にあるりんご倉庫です。西岡・福住地区のレンガ倉庫はレンガ職人・長浦数雄さん(故人)がそのほとんどを手がけています。


長浦さんの「作品」の特徴として、デザイン性の高さが挙げられます。

 

「切妻蛇腹、稲妻蛇腹という蛇腹飾り、窓廻りやアーチの飾り積み、家紋を手書きし、鬼瓦を工面しトタン屋根にのせた」(とよひら煉瓦散歩より)という装飾性の高さは農業用倉庫としては過剰なほどです。

 

さて、このりんご倉庫の裏側(羊ヶ丘通沿い)に別のレンガ製の建物が建っています。

六花亭福住店です。1993年に札幌本店としてオープンしました(現在は昨年札幌駅前にオープンした自社ビルが札幌本店となっています)。

 

あまり知られていませんが、六花亭は建築部門のグループ会社を抱え、小田豊前社長の建築に対するこだわりは知る人ぞ知るものでした。

店舗上部を見上げると、ある列だけレンガを斜めに配列した稲妻蛇腹が確認できます。

 

確認はしていませんが、地域の歴史と文化を大事にする六花亭の社風から考えれば、平岸りんごの歴史とレンガ倉庫に敬意をはらってオマージュしたのかもしれません。

 

なお、六花亭は私の前職にあたりますが、福住店完成後、その隣に弁当屋が出来たとき、前社長は景観が台無しになったと嘆いたと聞いています。

 

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コメント: 2
  • #1

    keystonesapporo (火曜日, 11 4月 2017 18:01)

    >平岸りんごの歴史とレンガ倉庫に敬意をはらってオマージュしたのかもしれません。
     私もそう思います。裏付けは、札幌市発行の「第11回札幌市都市景観賞」冊子です。六花亭福住店は2003年、同賞を受賞しました。冊子に書かれた「表彰理由」を以下、一部引用します。
     「今回受賞した福住店はツタの這うレンガの外観はもとより、植栽を取り入れた駐車場や柵、さらには看板等のサイン計画にいたるまで、周辺環境への何ともいえぬ細やかな心づかいがうかがわれました。店の裏手には半世紀前に建てられたリンゴ倉庫が畑の中にぽつんと佇んでいます。受賞決定後、設計者に問い合わせたところ、果たして、設計コンセプトはそのリンゴ倉庫、つまりこの土地の先達にインスピレーションを得た『牧歌的な雰囲気』だとのことです」。
     記述は同賞選考委員の一人、八代克彦氏(札幌市立高専助教授、当時)です。なお、この建物は(株)大林組札幌支店が設計、施工しました。

  • #2

    道新りんご新聞 (火曜日, 11 4月 2017 23:27)

    コメントありがとうございます。きちんとした裏付けがあったのですね。あれぐらいの大型店舗だと普通は交差点に面して建てるものなのですが、レンガ倉庫に合わせるように六花亭福住店はあえて角地から一区画ずらしています。常識的な立地からは考えられないことらしいのですが、そのあたりも景観に配慮したことが理由かもしれません(結果的に角地の物件が景観をぶち壊しましたが)