縄文海進とウイスキーの不思議な関係

ちょうど1年前の今頃、朝の連続テレビ小説「マッサン」が終わりました。

余市のウイスキー博物館はマッサンブームで、連日大賑わい、ニッカウイスキーの竹鶴が品切れになるなど、日本中でウイスキーブームが巻き起こりました。

 

さて、マッサンをご覧になっていた方なら、覚えていると思いますが、ウイスキーの香りづけにはピートが欠かせないという話が何度も出てきました。

 

ウイスキー独特のスモーキーフレーバーの香り、しかし、当時の日本人には受け入れられず、売上が低迷・・・という展開になっていましたね。

 

このピートというのは、泥炭のことです。

泥炭とは、植物の遺骸が積み重なってできた土地です。北海道のような寒いところでは、植物が腐らずに、土の中にそのまま保存されます。

 

この泥炭と縄文海進には密接な関係があります。今から6,000年前、気候の温暖化により、海面が現在より3メートルほど上昇し、札幌の北区・東区のあたりは海になっていました。

 

その後、気候の寒冷化に伴い、海岸線は徐々に後退し、かつて海だったところはラグーン(潟湖)となりました。ラグーンと呼ばれるこうした湖は、今でもサロマ湖や風連湖などに見ることができます。

 

この古石狩湖とでも呼ぶべき湖は、周りに生い茂っていたアシやヨシなどの植物によって埋め立てられ、大規模な泥炭地が誕生したのです。

 

泥炭地は、水を多く含む軟弱な土地で、開拓の大きな障害になりましたが、排水設備を整え、乾燥させると非常に地味が肥えた土地となり、第一級の農作地となりました。

泥炭地は、特に戦後の農業土木技術の進展に伴い農作地に変わり、今でも北海道の農業基盤を支えています。

 

 

本日更新した平岸の歴史を訪ねて~縄文・古代史編~の中で、そのあたりの話も詳しく紹介していますので、よろしければご覧ください。