そういうわけで、道新りんご新聞はできました

道新りんご新聞創刊の経緯は、ごあいさつの中で述べているように、東日本大震災がきっかけです。東日本大震災が起きたとき、被災範囲が広すぎて、マスメディアは地域情報に対応できませんでした。その穴を埋めるために、新聞販売所を「地域の情報発信拠点」と位置づけ、来るべき災害に備える。

これが、創刊目的のひとつです。

 

東日本大震災は、そういう意味で重要なきっかけとはなりましたが、地域新聞の必要性を痛感し、創刊を決意した裏には別の小さな事件がありました。

 

それは、2012年11月、暴風雪で送電線の鉄塔が倒れ、室蘭・登別で4日間にわたり起きた停電です。

このとき、私はたまたま登別の実家に帰っており、この事件から多くの教訓を学びました。

 

北海道で真冬に電気が止まると命にかかわるということ、

非常時に何より必要なのは地域情報であること、

そして何よりも大事なことは、だれでも災害の当事者になりうるということです。

 

それまでは、東日本大震災に対しても、被災者のために役立ちたいという意識はあっても、自分が災害の当事者になるという意識は正直ほとんどありませんでした。

 

しかし、この事件をきっかけに、だれでも・いつでも災害に会う可能性があるという当たり前な事実を骨身にしみて実感したのです。

 

これまで2年間、「平岸の歴史を訪ねて」の連載を続けてまいりましたが、これは言わば準備運動期間であり、ここからが新聞販売所を「地域の情報発信拠点」にするはじめの一歩と思っています。

 

私は、新聞記者でもライターでもありませんが、平岸の地域貢献に取り組む熱意はだれにも負けないつもりです。

今後とも北海道新聞永田販売所ならびに道新りんご新聞をご愛顧いただければ幸いです。